Mark Murphy Sings Mostly Dorothy Fields and Cy Coleman (Audiophile) というアルバムを Amazon デジタルミュージックから購入した。 デジタルミュージックはダウンロードするだけなので便利な反面、ライナーノーツがないので、録音や曲の説明がないのが難点といえる。
ネットで調べて推測するに、この録音はおそらくラジオ番組 American Popular Song with Alec Wilder and Friends 用に録音したテープから作られたものだろう。理由は以下のとおり、
１． １曲あたり２、３分程度、ワン・コーラスだけの歌が多い、
２． ルーニス・マグルーエン・トリオがバックを務めている、
３． アレック・ワイルダーの声が入っているトラックが２曲ある、
４． 録音は1977年らしいが、マーク・マーフィーがゲスト出演した、 1977/4/10 の番組ではサイ・コールマン特集が、 1977/5/15 はドロシー・フィールズ特集がそれぞれ放送されているため、
５． Audiophile レーベルからは、他にワイルダーのラジオ番組テープから作られたレコードが多く存在する。 （バーバラ・リー、マーリーン・ヴァープランク、ジョー・デリーズ、テディ・キング、セルマ・カーペンター など）
などである。

収録曲は以下の通りで、
1: Don't Blame Me, 2: Witchcraft, 3: A Fine Romance, 4: April Fooled Me, 5: Seesaw, 6: I'm Gonna Laugh You Right Out Of My Life, 7: When In Rome, 8: When Yesterday I Loved You, 9: Where Am I Going, 10: Walking Sad, 11: Exactly Like You, 12: Alone Too Long, 13: On Second Thought, 14: I Walk A Little Faster, 15: The Rules Of The Road, 16: That's My Style, 17: I'm In The Mood For Love, 18: The Best Is Yet To Come, 19: Real Live Girl, 20: Remind Me, 21: I Love My Wife, 22: Sometime When You're Lonely, 23: Doodlin', 24: I'm Way Ahead, 25: Lovely To Look At

文字通りほぼドロシー・フィールズとサイ・コールマンの曲が大半を占める。なお、トラック8, 10はアレック・ワイルダー＆ルーニス・マグルーエンの共作でゲストが番組で歌ったのだろう。

場違いなのは、トラック23の Doodlin' でこれはホレス・シルヴァーの曲（歌詞はジョン・ヘンドリックス）。 入れるならサイ・コールマンの Doodlin' Song だろうが、気に入らなかったのかあるいは間違った楽譜で録音されたのか？

謎２： アレック・ワイルダー　自作曲を歌う？

It's So Peaceful in the Country は、アレック・ワイルダー作詞・作曲 (1941) 、ミルドレッド・ベイリー＆デルタ・リズム・ボーイズが紹介した歌だが、 ここにリンクしたポッドキャスト WILDERWORLD にはアレック・ワイルダー自身が歌ったと思われる歌が聞かれる。
1940 頃にデモ用に作ったアセテート盤らしいが多少の歌詞の違いが見られる。
出所は、アレックの友人 Eddie Finckel (シナトラが歌った Where Is the One? の作者）のコレクションから見つかったものらしい。
ただし、『声の質が違うので疑わしい』『何故ヴァースを歌ってないんだ』といったコメントもある。これにはアレック・ワイルダー自身が（天国から？）コメントを返している。

2018/02/15 作成

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