Funny Face

オリジナル劇場版

[Verse1]
ジミー:
 可愛いフランキー、君の誕生日プレゼントで僕は分かったんだ
 本心から言うと君はそんなに悪くないよ。
 付け加えさせてもらえば君の愉快な顔は僕にグッと来るんだ
 僕が突然に狂ったなんて思わないでよ。
 君にはピーター・パン的資質がいっぱいあるのさ、 ♥
 こんな素敵なお顔を見つける以前は遠くまで探し回ったものさ;
 そうさ

[Refrain 1]
 君の愉快な顔が好きさ、
 輝く君の愉快な顔が、
 例え君が美しいというより
 かわいいと言った方がいいとしても、
 君にはとてもいっぱいの
 個性を感じているのさ。
 君は僕を大いに笑わせてくれるのさ、
 君が近くにいるだけで。
 君はグロリア・スワンソンじゃないけれど ♦
 断じて交換するつもりはないのさ、
 輝く君の愉快な顔を。

[Verse 2]
フランキー:
 言わなくてもいいわ、私がそんなに可愛くないってのは、
 姿見と私の意見が一致した時から。
 アトランティック・シティのコンテストで、
 私がミス・アメリカになるはずはないという意見で。
 正直に言うと、あなた自身もそんなでもないわよ;
 ポール・スワン程には、あなたはすごくないわ ♦
 それでも

[Refrain 2]
 あなたの愉快な顔が好きよ、
 輝いている、あなたの愉快な顔が。
 修復しようがないわね、
 そう断言するわ、
 十分申し分ないと。
ジミー:
 ロナルド・コールマンのように? ♦
フランキー:
 おっさんが何言うの!
 でもはっきり言えるわ、
 あなたが近くにいると嬉しいと。
 あなたはハンサム・ハリー(色男)とは言えないけど、
 断じて交換するつもりはないわ、
 輝くあなたの愉快な顔を。

[Refrain 3]
フランキー:
 その愉快な顔が好きよ、
 輝いている、愉快な顔が。
 誰かを混乱させるとしても、
 瞬く間に、その顔が人を捉えるの—
 本当よ、あなたには
 個性が二人分備わっているの。
 その目、その鼻、その頬!
 映画のシークになるわけないわ、♦
 でもあなたは可愛い人でなくても、
 断じて交換するつもりはないわ、
 輝くあなたの愉快な顔を。

[Extra Chorus]
フランキー:(犬に向かって)
 その愉快な顔が好きよ、
 輝いている、愉快な顔が。
 あなたは決して
 父親が誰か聞かないわね。
 恥じてはいないのね?
 あなたはただの駄犬でしかないわ、
 でもあなたが尻尾を振れば、
 決して売りに出されることわないわ。
 あなたはリン・チン・チンじゃなけど、♦
 断じて交換するつもりはないわ、
 輝くあなたの愉快な顔を。


映画版



[Verse]
正直な所、君の慎み深さが僕に思い起こさせるのは、
(君の)自己評価はしばしば僕を悲しくさせるってこと。
付け加えさせてもらえば君の愉快な顔は僕にグッと来るんだ
僕が突然に狂ったなんて思わないでよ。

君にはピーター・パン的資質がいっぱいあるのさ、
こんな素敵なお顔を見つける以前は遠くまで探し回ったものさ...

[Refrain]
君の愉快な顔が好きさ、
輝く君の愉快な顔が、
例え君が美しいというより
かわいいと言った方がいいとしても、
君にはとてもいっぱいの
ミリョクを感じているのさ。

君は周りを微笑みで満たしてくれるんだ
遥か遥か彼方まで
君はモナリザじゃないけれど
断じて交換するつもりはないのさ、
輝く君の愉快な顔を。

(ダンス)

君の愉快な顔が好きさ、
輝く君の愉快な顔が、
君はエキゾチックじゃないけれど
でも催眠術のように心をとらえるのさ、
君はとても、すごくとてもなのさ、
君がその姿で
料理することが出来たらね。

僕は大海だって泳いでみせるよ
君が僕の傍らにいてくれたら。
君はシバの女王じゃないけれど、
断じて交換するつもりはないのさ、
輝く君の愉快な顔を。

※ 決して美人ではないが「愛嬌のある顔」の女性を讃えた歌。
ガーシュイン兄弟が、アデールとフレッドのアステア姉弟のために書いた二本目のミュージカル「ファニー・フェイス」の歌で、 後見人ジミー役のフレッド・アステア、フランキー役のアデール・アステア姉妹が歌った。
この舞台はロング・ランとなり後にロンドン公演もされた。 他に「マイ・ワン・アンド・オンリー」「ス・ワンダフル」「ヒー・ラヴズ・アンド・シー・ラヴズ」「バビットとブロマイド」などもこの舞台から生まれている。
フレッド・アステアとオードリー・ヘップバーン主演の同名映画 Funny Face (1957, 邦題:パリの恋人」でも、写真家ディック役のアステアと書店員ジョー役のヘップバーンの暗室でのソング&ダンス・シーンで使われた。

♥ : ピーター・パンと顔(pan) で洒落ているが、アイラ・ガーシュインは27年後再び"顔"をテーマにした Lose that Long Face という歌でこの洒落を再利用している。

♦ : 引用された名前は20世紀前半に人気のあった美男・美女・美犬スター
 グロリア・スワンソン:サイレント時代の女優(「サンセット大通り」)
 ポール・スワン:世界一美しいと言われた、ダンサー、彫刻家、俳優
 ロナルド・コールマン:男優
 シーク:サイレント時代の人気俳優ルドルフ・ヴァレンティノ主演の映画
 リン・チン・チン:映画で人気のあったジャーマン・シェパード




作詞: アイラ・ガーシュイン Ira Gershwin
作曲: ジョージ・ガーシュイン George Gershwin
ミュージカル・コメディ Funny Face (1927) より

CD, LP
エラ・フィッツジェラルド、マリー・クリア・ヘイレン

YouTube
■  エラ・フィッツジェラルド
■  ウィスパリング(囁き)・ジャック・スミス


2018/06/20 訳


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