Can't You Do a Friend a Favor 日本語訳

CAN'T YOU DO A FRIEND A FAVOR

マーティン役のディック・フォランとモーガン・ル・フェイ女王のヴィヴィアン・スィーガル (1943 再演版）

[Verse 1]
QUEEN MORGAN LE FAY:
You can count your friends
On the fingers of your hand.
If you're lucky, you have two.
I have just two friends,
That is all that I demand.
Only two, just me and you.
And a good friend heeds a friend
When a good friend (fellow) needs a friend.

[Refrain 1]
Can't you do a friend a favor?
Can't you fall in love with me?
Life alone can lose its flavor,
You could make it sweet, you see!
I'm the dish you ought to savor,
Something warm and something new;
I could do my friend a favor,
I could fall in love with you.

[ヴァース１]
モーガン・ル・フェイ女王：
　あなたは片手で数えられる程の
　友だちに頼っていいのよ。
　運がよければ、あなたには二人いるわ。
　私にはほんの二人だけの友達がいる、
　それが私の望むだけのもの。
　たった二人、ただ私とあなただけ。
　それで良い友だちというものは友に留意するもの
　良い友だちが友だちを必要としている時には。

[リフレイン１]
　友だちの頼みを聞いてくれない？
　私と恋に落ちてみない？
　ひとりぼっちの人生は人生の味わいをなくすもの、
　あなたは人生を素敵にできるわ、そうよ！
　私はあなたが味わうべきご馳走よ、
　何か暖かくて何か新しい；
　私は友だちの頼みに応えられるわ、
　私はあなたと恋することができるの。

[Verse 2]
MARTIN:
You can count your friends
On the fingers of your hand.
If you're lucky, you have none.
For you have no friends,
Where the flame of love is fanned.
That's the time to trust no one.
Let a fellow kiss a friend
And he'll start to miss a friend.

[Refrain 2]
Can't you do a friend a favor?
Let us part the way we meet!
Life with you would have a flavor,
Sweet at times, yet bittersweet.
I'm no dish you ought to savor,
Feast your eye on something new;
I will do my friend a favor
I'll be just a friend to you.

[ヴァース２]
マーティン：
　貴女は片手で数えられる程だけど
　友だちを頼っていいよ。
　愛の炎があおられると
　貴女に運があれば、０人になるけどね。
　その時は誰も信用しなくなるだろう。
　男とは友だちとしてキスすること
　そうすれば彼は友だちがいないのを寂しく思いはじめるだろ。

[リフレイン２]
　友だちの頼みを聞いてくれない？
　僕らが会ったときみたいに別れよう！
　君と一緒の人生は味わい深いものだろう、
　時には甘いことも、でもほろ苦い甘ささ、
　私には貴女が味わうべきご馳走になれないよ、
　なにか新しいもので目を満足させようじゃ；
　私は貴女の頼みを聞いてあげられるよ
　貴女のただの友だちだから。

（原歌詞は歌詞紹介のページを参考に）

※　1940年のミュージカル Pal Joey で有閑マダムのヴェラ・シンプソンを演じたヴィヴィアン・スィーガルは、性へのきわどい表現があり放送禁止になるも後にスタンダードとなった "Bewitched, Bothered and Bewildered" を歌った。３年後彼女は『コネチカット・ヤンキー』リヴァイヴァル版で、再びロジャーズ＆ハート作品の悪者役を演じることとなった。

20世紀以降、英米の小説、コミック、映画、ゲームなどに多く登場するアーサー王の邪悪な姉（時に善き魔法使いのこともある）、魔女モーガン・ル・フェイを演じたスィーガルはこの舞台で、"To Keep My Love Alive"や This Is My Night to Howl などの不気味な歌を歌った。

この歌は多分、魔女モーガンが未来から来たアメリカ人マーティンを口説く場面で歌われたと推測する。１番の歌詞ではモーガンがマーティンに愛の告白を、２番はマーティンが申し出を拒絶する歌となっている。 1950年代に何枚かのアルバムを出したジャズ歌手テディ・キングは１番の歌詞のみで、求愛のトーチ・ソングとして歌っているようだ。

ミュージカルあらすじ：
　1920 年代のコネチカット州で、マーティンはフェイと結婚しようとしていた。昔の恋人アリスが彼を訪ねてきたとき、フェイは嫉妬のあまりシャンパンのボトルで彼を殴り倒した。マーティンが夢の中で見たのは、どうやら西暦 528 年のアーサー王の宮廷にいるようだ。アーサー王から「サー・ボス」と呼ばれたマーティンは、キャメロットを産業化するよう指示され、電話やラジオなどの産業を興す。彼は「ドゥモワゼル・アリサンド」（アリスにそっくり）と恋に落ちるが、王の邪悪な姉「モーガン・ル・フェイ」（フェイにそっくり）が彼女を誘拐する。マーティンが彼女を救出すると、彼は目を覚まし、ずっと愛していたのはアリスだったことに気づく。（1927年版の舞台では、古語と当時の俗語を巧みに織り込んだ Thou Swell や元は英国ミュージカルのために書かれた My Heart Stood Still が評判となった。

　1943年の再演は、ロジャースとハートによって改訂された。舞台はより時事的な戦時中の設定に変更され、ショーの美術にはジープに乗った騎士とその乙女が描かれていた。また、「モーガン・ル・フェイ」役のヴィヴィアン・スィーガルに、よりスポットライトが与えられ「歌う魔術師」というアンチ・ヒロインのためいくつか歌が追加された。彼女が歌った "To Keep My Love Alive" はショー・ストッパーとなる人気曲となった。

　なお、マーク・トウェイン原作の『アーサー王宮廷のヤンキー』はストーリーが多少異なる。例えばアーサー王時代にタイムスリップした時に妻となったアリサンドが出て来て『ハロー・セントラル』という子供をもうけるが、ミュージカル版の方は夢の中の出来事でオチがつけられている。タイムスリップする前の時代は19世紀後半であり、婚約者フェイや昔の恋人アリスは小説には出てこない。モーガン・ル・フェイやガラハッドは小説には出て来るものの端役にすぎない、など。

作詞：ロレンズ・ハート Lorenz Hart (PD)
作曲：リチャード・ロジャーズ Richard Rodgers
出典：ミュージカル "A Connecticut Yankee" (1943, rivival)

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2025/06/20 訳

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