WAIT 'TILL THE SUN SHINES, NELLIE

1. On a Sunday Morn, sat a maid forlorn,
With her sweetheart by her side.
Thro' the window pane she looked at the rain,
"We must stay home, Joe," she cried.

"There's a picnic, too, at the Old Point View.
It's a shame it's raining today."
The the boy drew near, kissed away each tear,
And she heard him softly say:

ある日曜日の朝、絶望した少女が座っていた、
脇にいる彼女の恋人とともに。
窓の外に見える雨を見て、
『家にいなければならないのね、ジョー』と彼女は泣いた。

『ピクニックがオールド・ポイント・ヴューであるのよ。 (★)
まったく、今日が雨だなんて悲しいわ』
少年は近寄り、涙をキスでぬぐい去り、
彼女は彼の優しいことばを聞いた。

[Chorus:]
"Wait 'till the sun shines, Nellie,
when the clouds go drifing by.
we will be happy, Nellie,
Don't you sigh.

"Down Lover's Lane we'll wander,
Sweethearts, you and I.
Wait 'till the sun shines, Nellie,
Bye and bye."

『お日さまが出るまで待とうよ、ネリー、
雨雲が去って行くまで。
楽しくなるさ、ネリー、
泣かないでおくれよ。

『僕らで恋人並木を散歩しようよ、
愛しい人よ、君とぼくとで。
お日さまが出るまで待とうよ、ネリー、
バイ、バイするまで』

2. "How I long," she sighed, "for a trolly ride,
Just to show my brand new gown."
The she gazed on high with a gladsome cry
For the sun came shining down.

And she looked so sweet on the big front seat
And the car sped on its way,
And she whispered low, "Say, you're all right, Joe,
You just won my heart today."

(to Chorus)

『とっても楽しみにしてたのに』
彼女がため息交じりに言ったのは『路面電車に乗って、
新品のドレスを見せびらかしたかったのに』
彼女が上を見上げ喜びの嗚咽をもらしたのは
太陽が顔を見せ地上を照らしたから。

それで大きな前方席に座った彼女はとても可愛かった
そして車は目的地を一目散に駆け、
それで彼女は静かに囁いた『ねえ、あなたは素敵よ、ジョー
今日、私の心を勝ち取ったのよ』

(コーラスへ)


※ 『世界は日の出を待っている』 (The World is Waiting for the Sunrise) にも似た希望に満ちたティンパンアレー全盛時代の歌で楽譜の売り上げは百万部を超えたという。タイトル・フレーズは作詞のステアリングが、コニー・アイランド遊園地が雨で閉鎖になった時にある新婚の男が妻を慰めた言葉をたまたま耳にしたことから思いついたというエピソードがある。

紹介したのはヴォードヴィリアンの Winona Winter でオリジナルはスローテンポのマーチとして歌われたが、後にバーバーショップ・カルテット (the Buffalo Bills などが録音) やアップテンポで演奏されるバディキシーランド・ジャズのフェヴァリットとして親しまれるスタンダードとなった。
またこの歌は、ニューヨーク証券取引所でのクリスマスイヴや年末仕事納めの日にフロア・トレイダーによって歌われる習慣があるといい、証券取引讃歌となったのは、少なくとも大恐慌時代の 1934年にまで遡ることができるという。

映画では、ビング・クロスビーとメリー・マーティンがジャズっぽく歌った Birth of the Blues (1941), デニス・モーガンが歌った My Wild Irish Rose (1947) , In the Good Old Summertime (1949) そして歌の題名をそのまま使った Wait Till the Sun Shines, Nellie (1952) などで使われた。

作曲のハリー・ヴォン・ティルザーは、Take Me Out to the Ball Game, "Oh! By Jingo" などで有名なアルバート・ヴォン・ティルザーの兄。


★ Old Point View と大文字で書かれているので、実在なのか架空なのか不明だが固有の場所を示しているのだろう。日本語で表現すると『旧展望岬』といったところか?



作詞: アンドルー・B・スターリング Andrew B. Sterling
作曲: ハリー・ヴォン・ティルザー Harry von Tilzer(1905)

CD
● モリー・ワトソン Molly Watson : Bird in the Gilded Cage
● スー・レイニー Sue Raney : Happiness Is A Warm
 (歌のタイトルは、Wait Till The Sun Shines, Willie と男性名に変えてある)

YouTube
■ ハリー・トーリーの歌 (1906)  : ヴァース付きの歌
■ 映画 Birth of the Blues のクリップ  : メアリー・マーティン&ビング・クロスビーのデュエット



2011/01/15 訳
2012/11/20 エッセイ → 訳詩 に移行


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