人生は無価値なもの、
あるのは大いなる退屈だけ。
所が突然君は頭を叩いてみて、
ふらついている自分を確かめてみるんだ。
彼女のため息で君が感じるのは、
まるで紐につながれたおもちゃのようだって。
それで君の心臓は：
　　ドキドキと、
　　ドキドキと、
　　ドキドキと鳴るのさ。


なんてばか面をしてるんだい、
みんなの目がある所で、
すぐ目の前に自分自身をさらけ出すなんて、
前触れもなしにだよ。
今が朝か、夜か、冬か春か分からないみたいだね。
どうだっていいのさ、
　　ハラハラと、
　　ハラハラと、
　　舞い上がっているんだから。


彼女が君の手を握ると
　―　この魅惑的な生き物ときたら、
それでまるで計画されていたように、
　―　君は電話帳に首っ引きで、
近場の牧師さんを探すのさ。


人生は素晴らしいものさ、
君が行くのは小さなホテル、
どこかの村から鐘が聞こえる所、
尖塔の鐘が鳴り
みんなに伝えるのさ。
教会の鐘が伝えるのは：
　　ディンディン、
　　ディンディン、
　　にぎやかにやろうって。

※　異性と出会い、恋し、伴侶を得なければ人生なんて意味がないといったスウィング感あふれる恋愛賛歌。
ring-a-ding(-ding) とは、人目を引くにぎやかさ、お祭り騒ぎ、ハラハラさせる人や物などの意味がある。
Capitol での最後のアルバム Nice 'N' Easy (1960) をリリースしたフランク・シナトラが翌年彼が立ち上げたレーベル　reprise での最初のアルバム Ring-A-Ding-Ding に吹きこんだ曲。１曲目はオリジナル曲で２曲目以降はすべてスタンダードという構成は Nice 'N' Easy と同工だが、 『新レーベル旗揚げに相応しく楽しい曲をやるから聞いてくれよ』 といったシナトラの意気込みが感じられる。

作詞：　サミー・カーン Sammy Cahn
作曲：　ジミー・ヴァン・ヒューゼン Jimmy Van Heusen (1960)