(I'M AFRAID) THE MASQUERADE IS OVER



[ヴァース] 　★
私の青い地平線は灰色に変わり、
そして私の夢は漂いながら離れて行っている。
もう輝くことのない夕日のように消えてゆく、
心だけを置き去りにして。
同じように、

[リフレイン]
あなたの瞳は昔のような輝きをなくしてしまった、
それにあなたの唇が私の唇に触れてもときめきは失せてしまった。
仮面舞踏会は終わったみたいね、
そして愛も同じね、愛も同じね。

あなたの言葉は以前のような誠意のある言葉でなくなった。
かつては元気づけられたのに、今ではただのその場しのぎの言葉。
仮面舞踏会は終わったみたいね、
そして愛も同じね、愛も同じね。

私はパリアッチ(Pagliacci) を演じなきゃいけないみたい　★２
なので道化師の扮装をしなきゃ。
パリアッチの笑い方を習わなきゃ
目に涙を溜めていながらも笑う姿を。

あなたは変わらないように見えるわ、まったく一緒に見えるわ、
でも心の中では『違うわ、あなたは変わったのよ』って言うの。
仮面舞踏会は終わったみたいね、
そして愛も同じね、愛も同じね。


※　愛情は冷めてしまい心のない「アイ・ラヴ・ユー」を繰り返す恋人との関係を仮面舞踏会にたとえた失恋の歌。一方的に冷めた愛なのか、互いに冷めたが気付かないふりを互いにしていただけなのかは分からない。
Masquerade は、仮面舞踏会、仮装パーティー、見せかけ、虚構などの意味がある。

You Tube では、アル・ジャロウ、ナンシー・ウィルソン、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレー、カーメン・マクレー、リトル・スティーヴィー・ワンダー、ジョージ・ベンソン、マーク・マーフィー、エッタ・ジェイムズ、フォア・トップスなどの歌が聞けたが、ジャズ／ソウルのフェヴァリットなのだろう。

所で You Tube でのエッタ・ジェイムズ (Etta James) 動画のコメントには、『偉大なビリー・ホリデイが歌ったと投稿者は言うけど彼女は録音していないはずだよ』といった書き込みがある。
このコメントの通り、ビリー・ホリデイ歌詞サイト (http://www.ladyday.net/ など複数ある) では彼女が歌ったようになっているが、彼女のディスコグラフィーを見てもこの歌をビリー・ホリデイが録音した事実はないようだ。

★　この歌は、ア・カペラ・コーラス定番曲のようで、グリー・クラブ、バーバーショップ・カルテットなどのスタイルをYou Tube で視聴できたがア・カペラ・コーラスだとヴァースから歌う映像が多かった。ヴァースの歌詞は見つからなかったのでこれら You Tube ア・カペラ・コーラスからの聞き取りによった。
なおヴァースにある「青い地平線」 (blue horizon) という言葉は、1930年の映画「モンテカルロ」の冒頭で歌われた Beyond the Blue Horizon にも見られるが「希望に満ちた未来」といった意味あいだろう。

★２　パリアッチはイタリアの歌劇 (I Paglicacci 邦題「道化師」)をイメージしているのだろうか？
気になるのはサビの歌詞で、「これからは涙していても道化師のように笑えるようにしなきゃ」と歌う。つまり仮面舞踏会の後には別の仮面を被ろうと歌っているように思える。こういう歌に論理性を求めてもしょうがないのだろうが、サビの歌詞は気になってしまう。


作詞のマジッドソンは、The Continental (You Kiss While You're Dancing) （最初のアカデミー歌曲受賞曲）, Gone With The Wind, "Music, Maestro, Please", I'll Buy That Dream, Enjoy Yourself などのヒットがある。

作曲のルーベルはマジッドソンと組んだ Gone Withe The Wind, "Music, Maestro, Please", I'll Buy That Dream の他に、ヘレン・モーガンが歌った I See Two Lovers やディズニー映画のアカデミー受賞曲Zip-A-Dee-Doo-Dah などが有名。

作詞： ハーブ・マジッドソン Herb Magidson
作曲： アリー・ルーベル Allie Wrubel (1938)


歌・演奏：


2011/01/29 訳
2013/03/01 レイアウト変更等

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