HOT-HOUSE ROSE

[Verse]
No wonder that the rose to me's
The fairest flow'r that grows;
My fam'ly name is Rosenbaum,
My other name is Rose,
So yesterday
When I got my pay
I went to a park I know,
And walked around
Till I fin'lly found
The place where the roses grow.
When I saw those flowers all in bloom,
I almost forgot my basement room.

[Refrain 1]
I'm hot-house rose from God knows where,
The kind that grows without fresh air,
The whistle blows and work is done
But it's too late for me to get the sun.
They say that when you dream a lot,
You always dream of what you haven't got.
That's why I dream of a garden, I s'pose,
'Cause I'm only a hot-house rose.

[Refrain 2]
I'm hot-house rose from God knows where,
The kind that grows without fresh air.
A summer breeze I never get,
The morning dew has never kissed me yet.
I bought an ounce of nice perfume
And now I smell just like a rose-in-bloom.
But why take trouble when ev'ryone knows
That I'm only a hot-house-rose.


[ヴァース]
当たり前のことだけど私にはバラが
一番大事な花なの；
私の姓はローゼンバウムで、
名の方はローズだから。
だから昨日
給料を受け取ったあとに
なじみの公園に行ったの、
それから歩き回り
ついには見つけたの、
バラが育つ場所を。
私が花を一斉に咲かせている所を見たら、
私は自分の住んでいるのが地階の部屋だとういうことを忘れそうになったの。

[リフレイン１]
私は温室のバラ、場所は秘密、
新鮮な空気なしで育つ種類の花。
終業を告げる笛が鳴り仕事が終わっても
でも太陽の光を受けるには遅すぎるの。
みんな言うのは夢をいっぱい見る人は、
実現しない夢しか見ていないと。
そう私が夢見るのは庭の夢、そうだったらと願うの、
だって私は温室にしか住めないバラだから。


[リフレイン２]
私は温室のバラ、場所は秘密、
新鮮な空気なしで育つ種類の花。
夏のそよ風を感じたことはなく、
朝露が私に口づけをすることもないの。
私が買うのは一オンスもの素敵な香水、
それで私はバラが一面に咲いている気分になるの。
でも私がそんな面倒なことをする理由は、誰もがご存じ、
だって私は温室にしか住めないバラだから。


※　タイトルからのイメージで、温室のバラ＝上流階級の女性を歌っているものと最初は思えたが、歌の意味を考えると、ホット・ハウスとは貧しい労働者の娘が済む安アパートの一室、それも換気が悪く日光が当たらない地階の部屋を意味し、彼女が望むのは「大邸宅に住むこと」だろう。

この歌は、ファニー・ブライスの当り曲 Second Hand Rose のパロディとして作られたものだがブライスの意に添わず歌われることはなかった。

1956年にポーターが、エンタティナーの George Byron に送った手紙によると
『ファニー・ブライスがヴェニスを訪れたのは1926年のことで、妻と僕はレッツォニーコ宮 (Plazzo Rezzonico) に住んでいたんだ。この当時僕はブロードウェイでの将来的な成功がないものとあきらめ絵の勉強をしていたのさ。でもファニーに会って、互いの事をよく分かるようになると彼女は僕に歌を書いてくれと頼んだんだ。それが Hot-House Rose を書いた理由。完成して、彼女をレッツォニーコに呼んで披露したけど、聞き終わったあとに彼女が友人によくするように、この曲は勿体なくて自分には合わないと言ったのさ。僕は彼女に、この歌は貧しい工場勤めの少女のことだと説明すべきだったけど、僕が弾くピアノの隣で聞いていた彼女は、グランドピアノにティエポロの巨大な絵画、しかも1000人も入れる舞踏室で聞かせたため呆然とし様子で、結局彼女が歌うことはなかった次第さ。』
（Complete Lyrics of Cole Porter より）

通常なら忘れられてしまう歌だが、コール・ポーター曲集を歌った名花リー・ワイリーの軽快な歌唱　( 1940頃の録音で演奏は当時彼女とロマンスの噂のあったバニー・ベリガン)　でかろうじて生き残ることが出来た歌。


作詞・作曲：　コール・ポーター Cole Porter (1927)


歌：


2010/04/03 訳
2013/02/20 レイアウト変更等

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