BODY AND SOUL
(American version)

[ヴァース]
私は暗闇の中で迷ってしまった
愛の兆しは何処に
私は夜の中での迷ってしまった
愛の炎を手にしているのに
天国の扉は開かれそして閉じられた
その時に私は気付くべきだった
私はこの見捨てられた残渣に横たわっている
夢見ていたことを何もかも捨て切れない


[リフレイン]
私の日々はますます寂しくなっている
ただ一人のあなたが居なくなってしまったから
誇りも失われてしまった
でも私は彼のもの、身も心も

私はちょっと気持ちが高ぶっただけ
礎のないトランプで出来た私の家
それが壊れてしまったとしても
それでも私は彼のもの、身も心も

目の前に横たわるものは何かしら
私の未来は荒れ狂うように見え
灰色だけの冬の風景
魔法がおきなければ
お終いは悲劇になる
私が語るのはそんな物語
それはしばしば語られてきたこと

私の生活は彼を中心に回っている
一体彼がいなくていいことなんてあるの
私の城は粉々に砕けてしまった
でも私は彼のもの、身も心も


※ Body and Soul は基本的に二つの歌詞ヴァージョンがあり、一般的に歌われるのは 1930 年 2 月に発表されたオリジナル英国ヴァージョンで、
My heart is sad and lonely
For you I sigh for you dear only
Why haven't you seen it?
I'm all for you, body and soul
と歌われる。(シナトラ、エラ、カーメン、サッチモ、ジョー・ウィリアムス など多くの歌手がこの歌詞を歌っている)

この訳はそれではなく、 1930 年 10 月に登録された米国ヴァージョンである。
My days have grown so lonely
For I have lost my one and only
My pride has been humbled
But I am his, body and soul


(ヴァージョンが二つある経緯は 「Body And Soul の誕生」 を参照)

ルース・エッティング、ヘレン・モーガン、アネット・ハンショーの1930年代に活躍した女性歌手はそれぞれヴァースから歌っている。リー・ワイリーの歌は多少歌詞は異なるが基本的に米国ヴァージョンで歌っている。
モーガナ・キングのヘレン・モーガン曲集のアルバム Sings the Blues はヴァースも含め米国ファージョンで歌っているが、同じくヘレン・モーガンの曲集を歌ったポリー・バーゲンはオリジナル英国ヴァージョンの方を歌っている。

マーク・マーフィーの録音では、ヴァースはオリジナル英国ヴァージョンを歌い、リフレインでは米国ヴァージョンを基本に歌っている。

サラ・ヴォーンは Swingin' Easy というアルバムで、 My days have grown so lonely と歌い始めるが、その後の歌詞は英国ヴァージョンの歌詞を歌っている。カサンドラ・ウィルソンも同様。


二つの歌詞を比べると、オリジナル英国ヴァージョンの歌詞が「抱いてほしい」という感じが強くタイトルにマッチしているのに対し、米国ヴァージョンは肉欲的な表現をオブラートに包み「捨てられて悲しい」といった歌詞に変わり、歌詞のインパクトが弱められた感じがする。

歌詞ソースは、モーガナ・キングのCDライナー・ノーツを参考にした。


なお、 Body and Soul とクレジットされているが、エディ・ジェファーソンがアルバム Vocalese On Dance Jazz で歌ったのは、コールマン・ホーキンスのアドリブに歌詞を付けたもので、歌詞はホーキンス及び彼の歴史的名演 Body and Soul への称賛を綴っている。マンハッタン・トランスファーも歌っているが、途中の歌詞からエディ・ジェファーソンのの偉業もたたえた内容となっている。
更にエディ・ジェファーソン自身は、ホーキンス・ヴァージョン以外に、ジェームス・ムーディのアドリブ・ソロに歌詞を付けた I Feel So Good (アルバム Letter From Home) も歌っているが歌詞は、 Moody's Mood For Love に似た内容である。


作詞: エドワード・ハイマン、ロバート・サワー Edward Heyman, Robert Sour
作曲: ジョニー・グリーン Johnny Green
舞台レヴュー Three's A Crowd (1930)


歌:



2009/10/17 訳
2013/01/10 レイアウト変更等


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