Every Tub が吹き込まれた約 20 年後にジョン・ヘンドリックスが、レスター・ヤング (ts)、ハリー・エディソン (tp)、ハーシャル・エヴァンス(ts) の各ソロ・パートに歌詞をつけ、ベイシー楽団をバックに、当時新進のグループ、ランバート、ヘンドリックス＆ロス (LH&R) が Sing Along With Basie というアルバムでこの曲を録音した。
LH&R のアルバムでは、ジョンが付けた歌詞がライナー・ノーツに記載されている。実際の録音とは多少異なる部分があるようで、意味不明の所も多いが、ライナー・ノーツを元にヴォーカリーズ版を訳してみた。



Every Tub 訳

ジョン：
　　たとえ世の中に数多くあっても
　　どのタブ（風呂桶）にも底はあるものさ。
　　俺たちだれもタブで湯につかる
　　そしたらいつでもディグ（深く理解）できるさ、
　　聞きなよ
　　よく聞く自分で始末をつけるってことを、
　　確かなことさ。
　　それなりのやり方で
　　俺は言葉にして
　　みんなに告げたいんだ、
　　書かれたことのないことを。
　　ソウルフルで
　　生来の知恵なる温かい言葉を。
　　何事が起きても、
　　タブだって底があって
　　立っているって。だから
　　そうさ、分かるだろ、本当に
　　だから君に行先が見えないなら、
　　本当のビートで、
　　二つの足で立つことさ。
（間奏）
アニー：
　　私がたんと歌って
　　ほんの少しスゥィングしてるのは、
　　あんたが起きることの手助けよ、
　　あんた自身で起きることの。
　　彼が言ってくれたように、
　　自分で始末をつけるものさ (Every Tub)
　　分かってるように
　　そう分かってるようにタブが立っているのは
　　自分自身で。
　　時間が来れば分かること、遅かれ早かれ。もし
　　あんたが見習えば、
　　あんた自身で偉大なアイドルが見つかるはず、
　　自分自身の方法で、誠をもって、それで
　　誠を尽くせば、それがあんたの真の姿
　　惜しまないこと、尽力することを
　　諦めたり脱落しないで、もしあんたがジャイヴしてる（乗ってる）のに止めたら
　　底のないタブをゴシゴシ洗ってるだけのこと。
コーラス：
　　身内から教わったことさ、兄弟
　　人生で必要なことがなければ
　　自分が向上出来ないって。
　　自分で始末をつけるものさ (Every Tub)
　　俺が歩き始める前に、
　　いつだって俺が不満を言い始めたら、
　　母ちゃんの別れ際の言葉は、
　　自分で始末をつけるものさ (Every Tub)
（間奏）
コーラス：
　　学校へ行かなかった人たちは、
　　黄金のルールだけを知ってる、
　　こっそりと行くんだと。生きていく上で、それでクールにふるまえって。
　　ある奴らは
　　なんでそんなに賢くなれたのか分からないんだ。
　　英知が彼らの目から輝いたら
　　彼らに悟らせるのは・・・生来の知恵というもの。
ジョー・ウィリアムス：
　　ねえ、おっさん、そう信じているんだ・・・
　　俺・・ディグ（深く理解）し続けて来たさ、あんたたちの言葉を
　　だって俺はグル―ヴィー（乗ってる）な聞き手だったからね、とにかく
　　あんたたちの言う真実を聞いて、俺は
　　意味する所が聞こえたのさ
コーラス：
　　俺の知る限りどんなタブでも
　　タブそのものは
　　誰の助けもなしに立っていられるのさ、
　　自分で始末をつけるものさ (Every Tub)
コーラス：
　　どんな姿のタブでも
　　大理石のタブでも灰色のタブでも
　　なんか古びたやつでも
　　自分で始末をつけるものさ (Every Tub)
　　どのタブも一人で立って
　　自分を支えている、
　　どのタブも分からせてくれる、
　　自分で始末をつけるものさ (Every Tub)
アニー：
　　ねえ、私が言ったこと、あれやこれや言ったけど
　　でも、率直に言うと
　　とても馬鹿馬鹿しいことよ、
　　誰か男の足を借りて立つなんて、
　　自分の足を持っているのに。
　　ベイビー、私は馬鹿じゃないの、本当よ
　　どのタブでもという諺は、まさに
　　知っておくべきことよ。
コーラス：
　　いろんなタブがあるけど・・・大理石や灰色や
　　どんなタブだって・・・なんか古びたやつでも
　　自分で始末をつけるものさ (Every Tub)
ジョン：
　　いつまでも確かなこと、
　　どんなタブでもまさに
　　自分の底で立っているんだ。


作曲： カウント・ベイシー、エディ・ダーラム Count Basie, Eddie Durham (1937)
作詞： ジョン・ヘンドリックス Jon Hendricks (1958)

¶ You Tube every tub jazz 検索　：　なおルイ・アームストロングの師匠、キング・オリヴァーの演奏がヒットするかもしれないがこちらは別曲で、 演奏： King Oliver's Dixie Syncopators (1927 c.)、作曲： King Oliver / Paul Barbarin ）