歌の逸話2 ： Blue Moon の誕生

1934 年のロレンズ・ハート作詞、リチャード・ロジャーズ作曲の Blue Moon はロックやドゥーワップ・ナンバーとしても度々取り上げられているようにジャズやポピュラー・スタンダード・ファン以外にも知られた、このチームの最もポピュラーな歌だろう。
ガーシュイン兄弟の最高傑作という人もいる The Man I Love が何度も舞台で落とされたのと同じようにこの曲も誕生までに何度かの試練を受けなければならなかった。


1934 年 MGM はリチャード・ロジャーズとロレンズ・ハートに映画 Hollywood Party のため、ジーン・ハーローが歌う歌を書くよう命令した。色気ムンムンなセックスの女神のために当てた役は、ハリウッド・スターを夢見る若く無垢な速記者で、彼らが書いた曲は次のような歌だった、

PRAYER:
Oh, Lord, if you're not busy up there,
I ask for help with prayer

スタジオはこれを気に入らず映画からは外してしまった。

しかしながら、ロジャーズはこのメロディーが好きだったので、そこで MGM は他の映画 Manhattan Melodrama　 のタイトル・ソングを書くように言い、ラリー・ハートは新規歌詞を書き変えた。

ACT ONE:
You gulp your coffee and run;
Into the subway you crowd.
Don't breathe - it isn't allowd.

スタジオはまたも気に入らず外した。ロジャーズは他の歌でもこのメロディーを使い、ハートは３番目の歌詞を書いた。

THE BAD IN EVERY MAN:
Oh, Lord, what is the matter with me?
I'm just permitted to see
The bad in ev'ry man.

例え Manhattan Melodrama がギャングのジョン・デリンジャーが銃に撃たれる直前にシカゴの劇場で観た映画であるために、群衆を呼び寄せたとしてもこの歌は無視された。

失望したロジャーズはこの曲をティン・パン・アレイの出版社に持ち込んだ。発行者は、もしハートが歌詞を単純で堅実なものに書き替えたのならヒットするはずだと言った。
気分を害したハートは、 『つまり moon や June などの屑を作れって言う訳かい？』と聞いたもののハートは椅子に座り４番目の歌詞を書きあげた。

Blue moon, you saw me standing alone,
Without a dream in my heart, without a love of my own.

BLUE MOON はロジャーズ＆ハートの最も成功した曲となった。『ヒットした僕らの曲の中でただひとつこの歌が、舞台や映画のミュージカルとは関係ないものだったんだ』 とロジャーズは回想する。


参考資料：　America's Songs

2013/08/15 作成

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