BLACKBERRY WINTER

花冷えは（※）
　予告なしにやってくる
春の盛りになったと
　思ったときにやってくる
そう、あなたが寒い
　雨の朝に目覚めたとき
不思議に思うでしょう
　「一体どうしたのか」って

花冷えは
　ほんの数日しか続かないのに
あなたの気持ちを悲しくさせるには
　十分な長さ
あなたの愛が
　無駄だと思ったときは
あなたが本当に
　愛したのに、無駄だと思ったときは

(繰り返し）
私はあなたを失ったことを
　乗り越えられそうにないわ
でも私は人生が続くことを
　学ばなければならないの
それに思い出も半分忘れた歌みたいに
　おぼろげになっていくでしょう
花冷えが
　あなたが去ったことを思い起こさせてくれるまでは

春の間はたいてい
　とても寂しく感じるでしょう
私は五月の最初の日を
　楽しめたらと思うの
でも私は知っているの
　花冷えが
　すぐ来ることを
（繰り返し）


※：Blackberry Winter とはアメリカ南部の方言でブラックベリーが咲く頃のつかの間の寒い天候のこと（らしい）。日本でいう、梅雨冷え、花冷えに相当するようだ。

　最初は「ブラックベリーの冬」と訳して見たが、直感的に感じることのできる「花冷え」の方がいいと思い変えてみたら、発想が演歌に近くなった気がする。

　秋の季節にある夏の戻り（小春日和）を英語でインディアン・サマー(Indidan Summer)というのと対象的な表現。


歌詞は聞き取りによるもので、聞き間違い、聞き落としの可能性あり。

2021/01/15 補足追加
・・・ Blackberry Winter は、もう一つの 1976 年のワイルダーとマグルーアンのコラボ作品であり、その忘れがたい16分音符と意外なハーモニックとリズム進行で際立った作品である。アイリーン・ファレル、テディ・キング、メイベル・マーサー、マーリン・ヴァープランクなど優れたワイルダー解釈者はすべて録音している。メアリー・メイヨやバーバラ―・リーはリサイタルで歌っており、ジョー・ワイルダーやロバート・レヴィは美しいトランペット演奏をしている。ワイルダーは彼がマグルーアンの家を訪問しピアノをもてあそんでいたときに歌を作った時を回想している。

『私が演奏したものが彼の好みであったようで、私はそのアイデアを元に曲を仕上げた。彼は歌詞を付けたいといった。私はリズムの型にはまらない工夫が適切な言葉を当てはめるのに妨げになるのに気づいていた。そうまったく。マグルーアン氏は、たいてい非の打ちどころのない味がある歌を作る人で、北部人にとっては馴染みのない blackberry winter という言葉はあるものの、まさに正しい歌詞をつけてくれた』

このタイトルについてマグルーアンは、これは突然の『寒い期間』のことで、南部では６月初めころ、ブラックベリーの花が開いた後に起きることだと説明した。この思わぬ短い冬は本格的に暑さが戻るまでの数日しか続かない。ワイルダーが最初にメロディーの断片をマグルーアンのために弾いた時のことをマグルーアンは回想している。ワイルダーは、やや謙遜しながこう言った。『私はこの曲が名曲ではないと知っている、まるでこれらはリンドン・ジョンソンのウィンドウ（ステッカー）への献呈を書くようなものだから、でも私はこの16分音符のフレーズを繰り返し聞いて欲しいんだ』。マグルーアンは付け加える『１時間後私たちは Blackberry Winter を完成させた、そしてこの曲はアレックのお気に入りの１つになったんだ』（Alec Wilder in SPITE of Himself, page 206-207) より)

作詞・作曲：ルーニス・マグルーアン、アレック･ワイルダー Loonis McGlohon, Alec Wilder (1976)
出典： ラジオ番組 American Popular Song with Alec Wilder and Friends のために書かれた

CD, LP
● アレクシス・コール Alexis Cole : Very Early
● ヒラリー・コール Hilary Kole : Haunted Heart (Justin Time)
● ジョー・デライズ Joe Derise : House of Flowers (Audiophile)
● ジョイス・ブリーチ Joyce Brach : Songbird (Audiophile), Confessions (Audiophile)
● マーリーン・ヴァープランク Marlene VerPlanck : Sings Alec Wilder (AudioPhile)
● テディ・キング Teddi King : Lovers & Losers (AudioPhile)

2006/09/22 訳
2021/01/15 補足追加、出典加筆

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