AFTER YOU, WHO?

[ヴァース]
ついに君が僕の目の前に現れて
僕は喜びに目がくらむはずなのに、
これ以上隠しようがないんだ
僕が陽気とは程遠く感じていることを。
だって君の類まれな魅力が
誰の目から見ても明らかに、僕の気分を
何とも虚ろで、何ともむなしく、何とも空っぽな人生にさせるのさ、
君という存在が無くなったのなら。

[リフレイン]
君の後には、誰が
僕の青い空を埋めてくれるの？
君の後には、誰を
僕は愛することができるの？
君の後には、何故
次の試みをしなければならないの、
だって他の誰かに資格があるの
君の後には、誰が？
僕の手を握って誓って欲しい
君はいつまでも気遣っていてくれると、
だって君がそこにいなければ僕は何ができるというの？
僕は何年でも探してこれたのに
でも他の誰かに僕の涙を
笑いに変えることができるの、君の後には？

※　コール・ポーターの滑らかで押しつけがましさのないない歌詞は、埋め尽くされた you と who が歌に共鳴効果を与えていると The American Musical Theatre Song Eycyclopedia にはある。
この穏やかなバラードは、フレッド・アステア最後のブロードウェイ・ミュージカル "Gay Divorce" でアステアが歌ったもので、このミュージカルから生まれたポーターの代表曲でこれもアステアが歌った Night And Day の陰に隠れた感はある。
歌の知名度で言えば Night and Day は大関級でポーター流の性への含みのあるドラマティックな愛の歌なのに対し、こちらの知名度が十両級なのは、平坦すぎる曲調と癖のない歌詞のせいだろうが、メイベル・マーサー、ジェリ・サザーン、シルヴィア・シムズなど女性歌手によって歌われている。

ポーターは 1953 にエンタティナーの George Byron に送った手紙には、『僕はいつまでも After You に感謝しなければならないんだ、何故って Gay Divorce の契約を Dwight Wiman と交わしたときに、僕らの大いなる希望はフレッド・アステアが主役を演じることで説得を試みたんだ。その頃僕らはパリに住んでいたけど、フレッドを家に呼んでそれまでに書いた歌を聴いてもらうよう頼んだのさ。そこで僕が After You を演奏した時にフレッドはショーに出ることを決断したんだ。』（この歌は After You としても After You, Who? としても知られている）


   
　　　　ミュージカル Gay Divorce

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作詞・作曲： コール・ポーター Cole Porter
ブロードウェイ・ミュージカル "Gay Divorce" (1932) より

CD, LP
● ボビー・ノリス　Bobbe Norris : Close Up
● ヘレン・メリル Helen Merrill : At Midniht (EmArcy)
● ジェリ・サザーン Jeri Southern Meets Cole Porter
● ジョイス・ブリーチ Joyce Breach : Remembering Mabel Mercer Vol. 2 (Audiophile)
● キリ・テ・カナワ Kiri Te Kanawa Sings Porter (EMI)
● メイベル・マーサー Mabel Mercer Sins Cole Porter

YouTube
■　シルヴィア・シムズ

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2014/03/30 訳

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