YOU SAY YOU CARE

君は僕を思っていると言ったよね、
そしたら突然に
何百万ものバラが香りを周囲にまき散らすのさ。

君は僕を思っていると言ったよね、
そしたら君は、あたりで聞こえるヨタカの
さえずりを言葉にしてしまうのさ。

何て愛おしく、何て不思議なんだろう
だって僕の孤独の全てを
二人で共にする愛おしさに変える位だから。

もし君がそこにいれば、
山なんて高くないと思わせてくれるし、
ダーリン、しかも僕に海の上を飛行させもするのさ
君は僕を思っているという言葉を聞いただけで。

※　元はブロードウェイ・ミュージカル Gentlemen Prefer Blondes (紳士は金髪がお好き）の曲でヒロインの友達ドロシーから『結婚しない方がいいと思うけれど、でもあなたの事がとっても気になるの』と言われたフィラデルフィアの金持ち未亡人の息子ヘンリーが舞い上がった気持ちを表した歌。ただし舞台作品とはストーリーが異なるハワード・ホークスの映画作品では歌われていない。

コルトレーンのアルバム『ソウル・トレーン』に収録された演奏が有名だが、スタンダードと言える程多くの人が取り上げないせいか、快速テンポの演奏のせいか、エリントンの Cotton Tail に冒頭部分が似たメロディーのせいなのか、あまり気にすることもなくジャズ演奏曲として作られたものと思っていた。
最近マキスィン・サリヴァンのこの曲を聞いてどこかで聞いた歌だと思って調べたら、コルトレーンの演奏とサリヴァンの歌が結びついた次第で、スローなテンポで歌うボビー・ノリスやレベッカ・キルゴアなども手持ちの CD にあることを再発見した。

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作詞： リーオゥ・ロビン Leo Robin
作曲： ジューリー・スタイン Jule Styne
出典： ブロードウェイ・ミュージカル Gentlemen Prefer Blondes (1949)

Jule の発音
ウクライナから移民したユダヤ人店主の息子でロンドン生まれのジュリアス (Julius Styne) は３歳のころ劇場菌に感染した。それはスコットランド人エンタテイナーのハリー・ラウダーが舞台上を駆けまわり歌う姿に魅せられたからだ。舞台が跳ねた後ラウダーは両親に子供のためにピアノを買うことを勧めたという。ジュリアスが８歳のころ家族はアメリカに移住し神童少年ピアニストとしてシカゴ交響楽団で演奏をした。
しかし青年期に達すると音楽の興味は別の方向に向き、ハイスクール・ダンス・バンド、ナイトクラブ、バーレスク劇場でピアノを弾き、歌を書くようになる。両親はこれを喜ばなかったが、この頃彼は作曲家としての名義を Jule と改めた。 (wikipedia では両親はネイティヴ・アメリカンでロス・アンジェルス生まれとあるがいくつかの資料ではロンドン生まれとあり間違いの可能性が高い）

所で Jule は通常ジュールと読むが、作曲家の Jule Styne の場合は 『"Joo-lee" と発音するんだよ』ということが書籍 Easy to Remember に書かれている。


裏付けとして 1977 のブロードウェイ・レヴューを収めたレコード "A Party with Betty Comden / Adolph Green" を聞くと、「ジュリー」または「ジューリー」と言っているように聞こえる。

CD, LP
● ボビー・ノリス Bobbe Norris : Out of Nowhere (Four Direction record)
● マキスィン・サリヴァン Together : Maxine Sullivan Sings The Music Of Jule Styne
● レベッカ・キルゴア Rebecca Kilgore : Moments Like This (heavywood)
● ジョン・コルトレーン Jone Coltrane : Soultrane (Prestige)

YouTube
■　ジョン・コルトレーン
■　サラ・ヴォーン 　：　1949 のコロンビア録音

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2013/09/15 訳

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