STEAM HEAT (from The Pajama Game)

私は、(カッ、カッ、スーー)、スチームの熱を感じるわ。 (★)
私は、(カッ、カッ、スーー)、スチームの熱を感じるわ。
私は、(カッ、カッ、スーー)、スチームの熱を感じるわ。
でもあなたの愛が必要よ、
 寒さから逃れるためには。

私は、(カッ、カッ、スーー)、スチームの熱を感じるわ。
私は、(カッ、カッ、スーー)、スチームの熱を感じるわ。
私は、(カッ、カッ、スーー)、スチームの熱を感じるわ。
でも暖かくならないわ、
 あなたが手を握ってくれなけりゃ。
ラジエーターが鳴っていてもまだあなたのキスが必要で、
 そうしないと毎夜凍えそうよ。
熱いお湯を入れた魔法びんがあっても、
 あなたの強い抱擁に代えられないわ。

私は、(カッ、カッ、スーー)、スチームの熱を感じるわ。
私は、(カッ、カッ、スーー)、スチームの熱を感じるわ。
私は、(カッ、カッ、スーー)、スチームの熱を感じるわ。
でもあなたの愛が必要よ、
 寒さから逃れるためには。

(ダンス)

もっと石炭をボイラーに燃(く)べろだって。
もっと石炭をボイラーに燃べろだって。
もっと石炭をボイラーに燃べろだって。
でもそれじゃ駄目なの。

もっとバーナーに油を流せだって。
もっとバーナーに油を流せだって。
もっとバーナーに油を流せだって。
でもそれじゃ駄目なの。

ボイラーに石炭を? 駄目よ!
バーナーに油を? 駄目よ!
寒いの? 違うわ!
熱いの? そうよ、そう、そう!
さあ組合員よ、熱くなるのよ。

ボイン、ボイン・・・・ (★★)

(ダンス)

あなたの愛が必要よ、
 寒さから逃れるためには。
あなたの愛が必要よ、
 寒さから逃れるために、シュー、イエー!


※ 恋の歌のようにも聞こえるが、ミュージカル「パジャマ・ゲーム」で賃上げを求めるパジャマ工場の労働組合の決起大会で、組合員を鼓舞する出し物としてキャロル・ヘイニーが男性二人のダンサーとともに踊り歌ったナンバーで歌としてよりもダンスナンバーとして有名。

★ カッ、カッ、スーー、と訳した所は、ラジエーターに蒸気が通る時の擬音。
「カッ、カッ」は舌打ち音で、多分「スチームハンマー」という現象を模した音だろう。(冷えたラジエーターに蒸気が流れると、蒸気が水滴となるがその時の体積の急激な減少により、真空状態になり水滴が高速で飛び散り管に当たるため、ハンマーを打ったような音がずる現象)
「スーー」の所は、s音を伸ばして歌っている。これは蒸気がパイプを通る音。

★★ 火の燃える音または油が垂れる音の擬音語かと思う。


「パジャマ・ゲーム」はボブ・フォッシーが振り付けで最初に評判を取った舞台ミュージカルで、映画でもこのナンバーが見られるが、小道具の帽子、内また歩きなど典型的なフォッシーの振り付けがいくつか見られ、フォッシーのダンスナンバーを集めたミュージカル「フォッシー」 (Fosse, 1999) でもこのシーンが使われていた。

この曲を紹介したキャロル・ヘイニーは、ジーン・ケリーの助手として映画「雨に唄えば」「踊る大紐育」などの振り付けを手伝ったこともある。また「キス・ミー・ケイト」「踊る大紐育」では彼女のダンス・シーンも見られるが、なんといってもこのナンバーが彼女の代表作だろう。

このナンバーはシャーリー・マクレーンとも深く係わりがある。すぐれたダンサーながら、キャロルは怪我しやすい体質で休演を余儀なくされることも少なくなかった。ある日バレーシーンのジャンプで足首をひねり、当時無名だったシャーリー・マクレーンが代役を務めた。これが映画製作者ハル・ウォリスの目にとまりヒッチコックの「ハリーの災難」でスターへの一歩を踏み始めることになったという逸話がある。



作詞: リチャード・アドラー Richard Adler
作曲: ジェリー・ロス Jerry Ross
出典: 舞台ミュージカル The Pajama Game (1954) で Carol Hayney が紹介

CD
● ポインター・シスターズ The Pointer Sisters : That's A Plenty

YouTube
■ 映画『パジャマ・ゲーム』のクリップ  : 中央の女性がキャロル・ヘイニー



2010/08/28 訳
2012/11/20 エッセイ → 訳詩 に移行


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