MILESTONES (sung by Mark Murphy)

マーク・マーフィーが 1961年のアルバム 『ラー』に録音した、マイルス・デイヴィスのジャズ曲を訳してみた。


さあ直ぐに行こうぜ、
 今こそ行くんだ、
 もう止められないんだ
君にも分かるかも、
 君がどうなるか、
 だめさ今やめちゃいけないんだ

君が着いた通過点はどれも、
 ただひとつの水準に到達しただけで、
 そこには更なる1マイルがあるのさ
スピードを上げろよ、
 それが君に必要なこと、
 ベッドで寝ている場合じゃないのさ
さあ着いたかな、
 到着したら、
 先に進むんだ


外に出よう、
 今すぐに
 もう止められないんだ
君にも分かるかも、
 君がどうなるか、
 だめさ今やめちゃいけないんだ

君が着いた通過点はどれも、
 ただひとつの水準に到達しただけで、
 そこには更なる1マイルがあるのさ
スピードを上げろよ、
 それが君に必要なこと、
 ベッドで寝ている場合じゃないのさ
さあ着いたかな、
 到着したら、
 先に進むんだ


とどろきをあげて走り
 そびえたつ次の目印
 更なる1マイルが君に課せられる
さああの声を聞くんだ、
 さあ君の選択にかかっているんだ、
 それよりむしろ仲間を導くんだ

君が通り過ぎれば
 目標はその寿命をまっとうするんだ、
 過去の目標を後ろに残して
さあ曲をシャウトするんだ、
 月に向かって飛ぶんだ
 君の意のままに

この事実を忘れるなよ、
 後ろを振り向いてる場合じゃないよ、
 標石(マイルストーン)は過去の記録さ


※ Milestone は、「道しるべを示す石、一里塚、(歴史、人生の)重大時点、画期的事件」などを意味するが、これにマイルスの音という意味を掛けた曲名。マイルスには1946年にチャーリー・パーカーとの共演でジョン・ルイス作曲の同名曲があるが、1958年のアルバムで発表されたこの曲は、タイトル通りマイルスの代表曲となり、ベルリンのライヴ(1964)、プラグド・ニッケルのライブ(1965)でも彼の演奏が聞かれる。

この後付歌詞は、それまでのマイルスの栄光の足跡と、一つのスタイルや人気に安住しないマイルスの生き方を讃えている。

1961年のアルバム「ラー」のライナー・ノーツに、アイラ・ギトラーは『驚異的な技巧で、さながらひとりランバート、ヘンドリックス&ロスといってよい。作詞のジム・ブリットはマークのカリフォルニアの友人。マークは歯切れのよいアクセントと正確なスウィングを手際よく処理しており、スキャットさえきかせる』と記している。

1990年のライヴを収録した「バップ・フォー・マイルス」でもマーフィーはこの歌を歌っているが歌詞はかなりそぎ落とし、最初とラストから2つのスタンザだけを歌っている。



作詞: ジム・ブリット Jim Britt (1961)
作曲: マイルス・デイヴィス Miles Davis (1958)

CD
● マーク・マーフィー Mark Murphy : Rah (Riverside, 1961)
● マーク・マーフィー Mark Murphy : Bop for Miles (Highnotes)



2010/02/16 訳
2012/11/20 エッセイ → 訳詩 に移行


 ページトップへ  上位メニューへ