GHOST OF YESTERDAY

過ぎし日の亡霊
私の部屋の中をしのび歩く
一晩中あなたは居座り続ける
深い沈鬱とともに徘徊する

夜の帳が下りると
私が眠りに就くと
訪れるのは不気味なあなたの呼び声
悲痛に満ち、冷笑に満ちた死霊

愚かな愛に首を絞められ
心臓の鼓動が消えたように思え
平穏が得られず
絶え間なく続く
夜の明けるまでさまよう

過ぎし日の亡霊
毎晩あなたは現れては
ささやき続ける
「そうなったはず、そうなったはず、ああ、愛しい君」
愚かな心への報いは
過ぎし日の亡霊

過ぎし日の亡霊
毎晩あなたは現れては
ささやき続ける
「そうなったはず、そうなったはず、ああ、愛しい君」
愚かな心への報いは
過ぎし日の亡霊


※　別れた恋人を思い過去を悔む歌だと思うが、ヒースクリフのように死んだ恋人を思い続け亡霊を毎晩待つ恋人の歌のような気もする。

ビリー・ホリデイのために書かれた歌だと思うが、カーメン・マクレーのフェイヴァリットであり、1964年のアルバム Bittersweet のライナー・ノーツで、『私はアイリーンが満足してくれたらと思ってるの。アイリーン・ウィルソンはこの歌を書いた人だから。他の人がどう思おうと私はこの歌が好きよ。スタッフがＬＰに収まるか時間的にきついと言ったときに、他の曲はいいからこの曲は残すように頼んでおいた程。ある晩のこと、ジョージ・シアリングに「いつになったらゴースト・オヴ・イエスタディを録音するんだ？」って聞かれたのでこう答えたのよ。「ベイビー、今終わったところよ！」って。』と語っているが、後にそのシアリングとも1980年に Concord でこの曲を共演している。


作者のアイリーン・キチングスはウィルソンともクレジットされることもあるが、ピアニストのテディ・ウィルソン夫人でありカーメン・マクレーを見出した人でもある。
もう一方のアーサー・ハーゾグは、ジャズ詩大全 Vol. 19 によると、ビリー・ホリデイと共作とクレジットされている God Bless the Child, Don't Explain などを作った人だが、ビリー・ホリデイはアイデアを提供しただけに過ぎないようで実際にはハーゾグが書いたものらしい。またビリー・ホリデイが歌った Some Other Spring もキチングス＆ハーゾグの共作。


作詞・作曲： アーサー・ハーゾグ、アイリーン・キチングス Arthur Herzog , Jr. , Irene Kitchings (Irene Wilson)
出典： ビリー・ホリデイが紹介 (1940)


歌：


2010/09/11 訳
2013/03/01 レイアウト変更等

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