IF I ONLY HAD A BRAIN
(film & sheet music version)

film version

IF I ONLY HAD A BRAIN

（案山子）
僕は一日中のんびり
花と語れるし
雨に助言もできるのに
それに頭を掻いて
思考を巡らすこともできるのさ
僕に脳味噌さえあれば。

僕はあらゆる謎を解けるのに
いろんな種類の
悩みや苦しみに対して。
あなたが考えている思想で　（ドロシー）
あなたはリンカーンにも匹敵するのに、
あなたに脳味噌さえあれば。

ああ、僕は理由を答えられるのさ、
海の近くに海岸がある理由を、
僕は以前には思わなかったことを考えられるのさ、
そして僕は座って
更に考えるのさ。

僕は空っぽな奴ではないはずさ、
僕の頭にものが詰まっていれば、
僕の心は苦しみに満ちているのさ。
僕は踊って明るく生き
人生は素晴らしくなれるはず
僕に脳味噌さえあれば。

IF I ONLY HAD A HEART

（ブリキの木こり）
男が空っぽのやかんだったら
男だったら奮起すべきだけど
でも僕は苦しいのさ。
だって僕が思うに、
僕だって人の仲間入りが出来るのさ
僕に心臓さえあれば。

僕はもっといい人間になれるし、もっとやさしくなれるのさ
それにとっても涙もろくもなれるし
愛や芸術を敬うはずさ。
僕は雀と友達になれるし
矢を射る少年（キューピッド）とも友達さ、
僕に心臓さえあれば。

想像してみなよ、
バルコニーで、
上の方で静かに歌う声が、
『ああ、どうしてあなたはロミオなの？』　（ジュリエットの声）★
僕には心臓の鼓動が聞こえるのさ。
なんて素敵だろう！

ただ感情を注入するのさ
『嫉妬』や『献身』なんかを
そしたら本当に自分のものと感じられるのさ。
僕は若々しく元気でいられるのさ、
そしたらちゃんとジッパーでしまいこむのさ、
僕に心臓さえあれば。

IF I ONLY HAD A NERVE

（臆病なライオン）
そう悲しいんだ、信じておくれ、お嬢ちゃん
弱虫に生まれてしまい、
活力も元気もなかったら。
でも僕だって勇敢になれるさ、
ライオンらしく、ねずみなんかじゃなくって、
僕に度胸さえあれば。

残念ながら否定できないけど
僕はただのタンポポみたいなダンディなライオン、
この運命に値しない奴、
吹雪（ブリザード）のように勇ましくなれたら、（ライオン）
とかげ（リザード）のように優しくなれたら、（木こり）
さかな（ギザード）のように賢くなれたら、（案山子）
・・・・


※　「虹の彼方に」で有名な映画「オズの魔法使い」の一曲。もとは子供向けの歌ながらややブルーな雰囲気を持った曲で、語り手が自身の失敗に落ち込み、卑下する気分を歌うのに向いた大人の歌にも感じる。

オズに行く途中でドロシーが最初に会うのが頭の中には藁しか詰まっていない案山子で、 If I Only Had A Brain を歌う。 次に会うのが空っぽな胴体のブリキの木こりで、If I Only Had A Heart を歌う。最後に会うのが小動物さえ怖いという臆病なライオンで、 If I Only Had A Nerve を歌う。
案山子とブリキの木こりは、フルコーラス歌うのに対し、臆病ライオンはサビ以降は歌わず次の歌 We're Off to See the Wizard に移る 。

★　この行は「ロミオとジュリエット」での台詞 Wherefore art thou, Romeo? でどこからともなく聞こえてくる。
この声の主はクレジットされてはいないが、ディズニー映画「白雪姫」の声を担当した アドリアナ・カセロッティ (Adriana Caselotti) で、ウォルト・ディズニーは白雪姫のイメージを壊したくないので彼女が他の作品に出るのを禁止したので、名前がクレジットがされなかったものらしい。

シートミュージック版と映画版の歌詞は多少異なるので、以下にシートミュージック版の訳も載せておく。

sheet music version

IF I ONLY HAD A BRAIN

[ヴァース]
丸太に繋がれた案山子が揺れながら
柵の上に座っている黒つぐみに言った、
『ああ、神様は魂をくれた
　それなのに常識をくれるのを忘れたんだ、
　僕に常識が１オンスでもあれば』

[リフレイン]
（案山子）
僕は一日中のんびり
花と語れるし
雨に助言もできるのに
それに頭を掻いて
思考を巡らすこともできるのさ
僕に脳味噌さえあれば。

僕はあらゆる謎を解けるのに
いろんな種類の
悩みや苦しみに対して。
僕が考えている思想で
僕はリンカーンにも匹敵出来るのに、
僕に脳味噌さえあれば。

ああ、僕は理由を答えられるのさ、
海の近くに海岸がある理由を、
僕は以前には思わなかったことを考えられるのさ、
そして僕は座って
更に考えるのさ。

僕は空っぽな奴ではないはずさ、
僕の頭にものが詰まっていれば、
僕の心は苦しみに満ちているのさ。
それに多分僕は君にふさわしくなれるし、
それに尊敬もされるだろうに、
僕に脳味噌さえあれば、
脳味噌さえあれば。

IF I ONLY HAD A HEART

[ヴァース]　
ブリキ男が腕をガタガタさせながら
藁の男に悲しくもしょぼくれた目で言った、
『ああ、神様は僕にブリキの肋骨をくれた、
　なのに心臓を入れるのを忘れたんだ。』
それから彼は空っぽの胸を叩いて泣いた。


[リフレイン]
（ブリキの木こり）
男が空っぽのやかんだったら
男だったら奮起すべきだけど
でも僕は苦しいのさ。
だって僕が思うに、
僕だって人の仲間入りが出来るのさ
僕に心臓さえあれば。

僕はもっといい人間になれるし、もっとやさしくなれるのさ
それにとっても涙もろくもなれるし
愛や芸術を敬うはずさ。
僕は雀と友達になれるし
矢を射る少年（キューピッド）とも友達さ、
僕に心臓さえあれば。

想像してみなよ、
バルコニーで、
上の方で静かに歌う声が、
『ああ、どうしてあなたはロミオなの？』
僕には心臓の鼓動が聞こえるのさ。
なんて素敵だろう！

ただ感情を注入するのさ
『嫉妬』や『献身』なんかを
そしたら本当に自分のものと感じられるのさ。
僕は若々しく元気でいられるのさ、
そしたらちゃんとジッパーでしまいこむのさ、
僕に心臓さえあれば、
心臓さえあれば。

IF I ONLY HAD A NERVE

[ヴァース]　
ライオンが、かわいそうで神経質なライオンが
彼の叫び声を聞いている少女に言った、
『ああ、神様は僕をライオンにしてくれた
　それなのに神様は僕に勇気をくれるのを忘れたんだ。』
そうして彼の尻尾はぐるぐる波打ったのさ。

[リフレイン]
（臆病なライオン）
悲しい一生さ、信じておくれ、お嬢ちゃん
弱虫に生まれてしまい、
活力も元気もなかったら。
でも僕はこの性格を直せるはずさ、
もうウサギを怖がることもないのさ、
僕に度胸さえあれば。

残念ながら否定できないけど
僕はただのダンディなライオンさ、
この運命に値しない奴、
でも僕だって勇敢になれるさ、
ライオンらしく、ねずみなんかじゃなくって、
僕に度胸さえあれば。

ああ、僕だって
大股で闊歩して
心底まで王様になれるのに。
ああ、今まで吠えたことのないくらい吠えるのに、
それにガオーって叫んで、
もっともっと吠えるのに。

僕は恐竜たちに見せつけてやるさ、
誰が家来たちを従えた王様か、
家来を服従させる王かを。
なにゆえと問われれば、この威厳のある鼻をもつ、
シーザーにも匹敵する者ゆえに、
僕に度胸さえあれば、
度胸さえあれば。


作詞： エドガー・イップ・ハーバーグ E.Y. Harburg
作曲： ハロルド・アーレン Harold Arlen
ミュージカル映画　The Wizard of Oz (1939)で、レイ・ボルジャー、ジャック・ヘイリー、バート・ラー (Ray Bolger, Jack Haley , Bert Lahr)が紹介。

歌：


2010/03/06 訳
2013/02/10 レイアウト変更等

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