THE MEANING OF THE BLUES
ブルーは海の色でしかなかった
恋人が去るまでは
ブルーは木に止まっている青い鳥でしかなかった
彼が「俺を忘れるんだ」というまでは
ブルーはいつでも夏を思わせ
雲ひとつない夏の空、なんとも新鮮で暖かいものだった
でも今ブルーは私にとって
冬のようなもの
今にも嵐になりそうな雲をたたえた冬の空
ブルーは彼の目の色でしかなかった
彼が「さようなら、愛する人」というまでは
ブルーは最高栄誉賞のリボンの色でしかなかった、
彼が「泣かないで、愛する人」というまでは
そしてブルースは心かき乱される歌に過ぎなかった
衝動的な無垢な少女好みに作られたもの
でも今は
そうよく分かったの
ブルースの意味が
※ フォームとしてはブルース（発音はブルーズ）ではないものの、ブルースの雰囲気を持ったポピュラー・ソングで、このジャンルに該当するものには、 Am I Blue?, Blues in the Night, Born to Be Blue, Bouquet of Blues, I Gotta Right to Sing the Blues, Stormy Weather, That's How I Love the Blues, A Stranger Called the Blues, The Man That Got Away などがあるが、さすがにハロルド・アーレンの名曲が目立つ。
カーメン・マクレーはアイリーン・クラールからこの歌を教わり代わりにカーメンはアイリーンに I Guess I'll Have to Hang My Tears Out to Dry を教えたという。
ジュリー・ロンドンが映画 The Great Man でアル中のバンド・シンガー役で出演した時紹介した歌。
彼女はボビー・トゥループによって見出された歌手であり、大ヒットした Cry Me A River (1955) もトゥループのプロデュースによるもので二人は恋に落ちるが当時彼女は結婚していた。
1960年に彼女の離婚が成立した後二人は晴れて夫婦になり、音楽家としてのパートナーだけでなく私生活においても附随の関係となった。
1964年には来日してともにＴＶ出演したこともあるが「ジュリー・ロンドン・ショー」としてビデオ化されている。
しかし1960年代はジャズ歌手にとって最悪の時代でありかつてのような活躍は出なかったようだ。
しかし、1970年代になるとＴＶシリーズ Emergency （制作はジュリーの前夫）で医者＆看護婦役で人気が出て、歌手と作曲家以上に欠かせない二人のイメージをアメリカ人に植え付けることとなった。
作詞・作曲： ボビー・トゥループ、リア・ワース Bobby Troup, Leah Worth
出典： 映画 The Great Man (1957) でジュリー・ロンドンが紹介
歌・演奏：
- カーメン・マクレー Carmen McRae : Bittersweet
- シェリル・ベンティン Cheryl Bentyne : トーク・オヴ・ザ・タウン (King)
- アイリーン・クラール Irene Kral : Better Than Anything (Fresh Sound)
- ジュリー・ロンドン Julie London : About the blues/ London by night (capitol)
- カリン・アリソン Karrin Allyson : In Blue (Concord)
- ケイト・ハメット＝ヴォーン Kate Hammett-Vaughn : How My Heart Sing
- リンダ・ローソン Linda Lawson : イントロデューシング
- マーク・マーフィー Mark Murphy : ザッツ・ハウ・アイ・ラヴ・ザ・ブルース(Riverside)
- シャーリー・ホーン Shirley Horn : Jazz 'Round midnight (Verve)
- トニ・ハーパー Tony Harper : ナイト・ムード (RCA)
- ギル・エヴァンス Gil Evans : 時の歩廊
- マイルス・デイヴィス Miles Davis : Miles Ahead (CBS)
2010/02/13 訳
2013/01/30 レイアウト変更等
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