WHERE IS THE ONE

その人はどこにいるの？
　私の探究の旅を終わらせてくれる人は。
その人はどこにいるの？
　私を夢から目覚めさせてくれる人は。
はるかなかなたに秘密の扉の向こうに、
私の愛する人が、
私の生きがいが、
　待っているはず。


旅は長い
　ずっと私が思っていたよりも
どんな群衆の中にあるとも
　すぐにあの人と分かるはず。
いつか幸運をもたらす日に
　彼を見つけるはず
そのときこそが
　私が愛を見つけたとき


旅は長い
　ずっと私が思っていたよりも
どんな群衆の中にあるとも
　すぐにあの人と分かるはず。
いつか幸運をもたらす日に
　彼を見つけるはず
そのときこそが
　私が愛を見つけたとき


※： 歌詞はフランク・シナトラの歌詞サイトに載っているものを参考にした。

　ポピュラー・ソング・ライターとしてのアレック・ワイルダーは1940年代に多くの佳曲を作った。決してヒットパレードに乗るようなことはなかったが、彼自身の作詞・作曲した作品や作詞家のウィリアム・エングヴィックとの作品に知られた曲が多い。


●ウィリアム・エングヴィック (William Engvick) 作詞のもの
Crazy In the Heart (1955)
The Lady Sings The Blues (1956)
Who Can I Turn to (Now)? (1941)
While We're Young (1943)

●自身の作詞・作曲によるもの
Give Me Time (1941)
I'll Be Around (1942)
It's So Peaceful In The Country (1942)
Trouble Is A Man(1944)

●その他
Blackberry Winter (1976) : Loonis McGlohon との共作（晩年は彼との共作が多かった）
A Child Is Born (1975) : Thad Jones の1969の作品に歌詞をつけたもの

ワイルダーの歌は、ポピュラーともジャズともクラシックとも違う独自の世界で、彼の歌の多くは、恥ずかしげで控えめで、聞き手を惹こうとせず聞き手に発見されるのを待っているように思える。曲の感覚と詞の感覚はとても似ており、姿こそ違え同じ生まれの二卵性双生児のようで、ワイルダーの曲に付けられる歌詞は、ワイルダー自身の作詞も含めワイルダー・タッチであり、ワイルダーの歌詞に付けられる曲も、自身の曲も含めてワイルダー・タッチに感じられる。


この曲もワイルダー作曲のようにも感じられるが、作曲はフィンケルで彼のメロディーにワイルダーが詞をつけたもの。
エドウィン・フィンケルは、独学で学んだというジャズ・ピアニストであり、ワイルダーのマンハッッタンの友達だった。二人がフィンケルの２２番街のアパートでくつろいでいた時に、フィンケルの作ったメロディーを気に入ったワイルダーが詞を書いてみると話し、作られたのがこの歌。「いい歌だと思ったんだけど、シナトラの録音(Columbia)でそれを確信したんだ」（ワイルダー）


作詞： アレック・ワイルダー Alec Wilder
作曲： エドウィン・フィンケル Edwin Finckel
出典： 1948年作品で最初の録音はフランク・シナトラ

CD, LP
● マーリーン・ヴァープランク Marlene VerPlanck : sings Alec Wilder (audiophile)
● ジョー・デライズ　Joe Derise : House of Flowers (audiophile)
● フランク・シナトラ　Frank Sinatra : Where Are You (capitol)


2009/07/04 訳
2012/09/10 レイアウト変更等

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