GET ME TO THE CHURCH ON TIME

[ジミー、ハリーなどの友達]
ほんの数時間しか残ってないんだ。
あんたに残された時間は
ほんの数時間しか、
契りを結ぶまでの時間は

[ドゥーリトル］　（★）
おいらは朝には結婚するんだ
ディン・ドン！と鐘が鳴るだろう。
栓 (stopper) を抜いてくれ！　（★★）
ガツンとくる酒 (whopper) を飲もうぜ！　
でも時間どおりに教会へ着くようにしてくれよ！

朝にはそこにいなくちゃ
めかしたてて若者みたいになるんだ、
嬢ちゃんたち、こっちに来てキスしておくれ；
どんなに寂しくなるか示しておくれ、
でも時間どおりに教会へ着くようにしてくれよ！

おいらが踊り狂ったら
床の上を転がせばいいさ
おいらが口笛を吹いたら
戸口からシッシと追い出せばいいさ！(★★★）

おいらは朝には結婚するんだ
ディン・ドン！と鐘が鳴るだろう。
大騒ぎをしようぜ (kick up a rumpus)
でも行先は忘れないで (don't loose the compass)；
教会に着くようにしてくれ、
教会に着くようにしてくれ、
お願いだから、時間どおりに教会へ着くようにしてくれよ！


[ドゥーリトルと仲間たち]
おいらは朝には結婚するんだ
ディン・ドン！と鐘が鳴るだろう。
引きずって牢屋にぶち込んでくれ、
切手をはって郵送してくれ。
でも時間どおりに教会へ着くようにしてくれ！

朝にはそこにいなくちゃ
めかしたてて若者みたいになるんだ、
誰か力持ちの男はいるか
テーブルを持ち上げられる奴は、
おいらを時間通りに教会に運んでくれ！

もしおいらが飛び立ったら
そしたら撃ち落としてくれ。
もしおいらが口説いたら、
女の方を町からおん出してくれ！

おいらは朝には結婚するんだ
ディン・ドン！と鐘が鳴るだろう。
拷問してもいいさ(feather and tar me)；
軍隊を呼んででもいいさ；
でも教会には着くようにしてくれよ
教会には行かせて・・・・
（酒をもちながら踊る群衆。夜が明けてくる）

[ハリーたち]
星明りはゆらゆら眠りにつく頃になったよ。
朝の光が空に映えている。
ロンドンは起き始めてるよ、
夜が明けようとしているよ。
幸運を祈るよ、おっさん、
健康でな、さよなら。

[ドゥーリトル]
おいらは朝には結婚するんだ
ディン・ドン！と鐘が鳴るだろう・・・
喝采と敬礼を送ってくれ、
それからぶん投げるも蹴り上げるもやってくれ・・・
そんでおいらを教会に、
教会に着くようにしてくれ・・・
お願いだから、時間どおりに教会に着くようにしてくれ！


※：アメリカの資産家未亡人の遺産を相続することになった煙突掃除人のドゥーリトル。貧乏人から大金持ちになったことで長年連れ添った女から結婚を迫られ、最後の夜を酒場で友達と飲んで明かすという場面で歌われる。


訳は、ペーパーバックの My Fair Lady を元に訳したが、映画の字幕も参考にした。（舞台脚本のペーパーバック化らしいが歌詞は映画とほとんど変わらなかった）


★ 一般的に歌われるのはこの部分のみが多く、ドゥーリトルのパートを１コーラス歌ってから、間奏に続き第二連からリピートするケースが多かった。
　
★★　stopper, whopper
　stopper は酒瓶の栓かと思われる(映画でもその場面で栓を抜いていた）

　whop は殴る、whopper は殴る人、ほら話、などの意味が辞書にはあった。ここでは、上の行との関連から whopper を「酒（頭を殴るような）」と解釈したが、「ほら話をしようぜ」という意味ととれないでもない。


★★★ この行は、Whewt me out the door!
　Whewt という言葉の意味は不明。一般の録音では、whewt me の２音節（２つの音符）は言葉を濁して歌われることが多く、映画の中でも歌われていなかったので、好ましくない言葉かもしれない。聞き間違いもありえるが、各レコードを聴き比べてみた結果、次のように歌っていた。

● _ _ out the door　：シナトラ、ジョン・ヘンドリックス（発音せずに間を置いている。ザ・グループの場合は、この部分に楽器の音がかぶせてあった）
● _ be out the door : ローズマリー・クルーニー
● sh _ out the door ：　メル・トーメ
● shoo sh out the door : ナット・キング・コール　（shooは追い払うときの掛け声かと？）
● get me out the door : マリリン・メイ
● whisk me out the door : ロレツ・アレキサンドリア　(whiskはさっとはたく、という意味）
● whistle out the door : コニー・エヴィンソン


作詞： アラン・ジェイ・ラーナー Alan Jay Lerner
作曲： フレデリック・ロー Frederick Loewe
出典： 舞台ミュージカル My Fair Lady　(1956)より

CD, LP
● コニー・エヴィンソン Connie Evingson: I Have Dreamed (Minnehaha music)
● フランク・シナトラ Frank Sinatra: At the Sands (reprise)
● ジョニー・マティス Johnny Mathis : Swing Softly (CBS)
● ジョン・ヘンドリックス Jon Hendricks: Boppin at the Blue Note(Telarc)
● ケイ・スター Kay Starr : ムーヴィン・オン・ブロードウェイ (Capitol)
● ロレツ・アレキサンドリア Lorez Alexandria : The Great(Impulse)
● マリリン・メイ Marilyn May: Meet Marvelous (RCA)
● メル・トーメ Mel Torme: Reunion (Concord)
● ナット・キング・コール Nat King Cole: My Fair Lady (Capitol)
● ローズマリー・クルーニー Rosemary Clooney: Rosie Solves the Swingin' Riddle (RCA)
● ザ・グループ The Group (RCA)
● バディ・グレコ Buddy Greco : My Buddy/On Stage (Collectable)


2009/06/27 訳
2012/09/10 レイアウト変更等


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