THE WAY WE WERE

思い出は
私の心の片隅(かたすみ)を照らす。
かすんだ水彩画の思い出は
私たちのかっての姿。

散りばめられた写真のような
私たちの微笑み、私たちが残したもの、
二人が互いに交わした微笑みは
私たちのかっての姿に対して。

あのころの全く無垢だったようになれるのかしら
それとも時間があらゆる行を書き換えてしまったのかしら？
もしもう一度やり直す機会があれば、
教えて下さい、気持を、出来るのかを？

思い出は
多分美しく、それでも、
忘れずにいるには辛いものなら、
私たちはただ忘れることを選びましょう。

だから笑い合ったことだけにしましょう、
思い出すのなら、
私たちが思い出すならば
私たちのかっての姿から、
私たちのかっての姿から。


※　way は、（特定の）方法・流儀・様子・型・態度・そぶり・行動・スタイル、などの意味を持つので、適切な言葉を当てはめるのが難しいことがある。ここでは「姿」と訳してみたが、特定の言葉を当てはめなくともよいのかもしれない。

作曲のハムリッシュは、1944年生まれで、「ファニー・ガール」におけるバーブラ・ストライサンドのリハーサル・ピアニストとしてプロのキャリアをスタートさせ、バーブラの口利きで映画音楽に携わるようになる。1960年代半ばは、歌手のレスリー・ゴーアに曲を提供したりもしたが、初期のウディ・アレンの映画音楽や、ラグタイムを使った映画「スティング」で有名になり、1973年の映画「追憶」のテーマ曲でアカデミー賞及びグラミー賞を受賞する。
1975年には舞台ミュージカル「コーラスライン」でトニー賞、ピューリッツァ賞を受賞し、更に名声を確固たるものにした。
現在は、指揮者としてポップス畑のシンフォニー・オーケストラを率いている。
（ハムリッシュを含む１２人のみが、エミー賞、グラミー賞、オスカー、トニー賞を受賞した個人であり、ピューリツァ賞を含むと、彼とリチャード・ロジャーズの二人のみとなる）

作詞： アラン＆マリリン・バーグマン Alan & Marilyn Bergman
作曲： マーヴィン・ハムリッシュ Marvin Hamlish
出典： 映画 The Way We Were (追憶、1973) 主題歌で主演のバーブラ・ストライサンドが歌った

CD, LP
● シンガーズ・アンリミテッド The Singers Unlimited : The Complete A Capella Sessions (MPS)
● マーサ三宅　スタンダード・ジャズ・ボーカル


2009/05/20 訳
2012/07/25 レイアウト変更等

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