SAY IT (OVER AND OVER AGAIN)

[ヴァース]
花やキャンディに気が向くなんてことないよね；
そんなものは棚にしまって用なしにしちゃうよ。
思い出の小物なんかに気が向くなんてことないよね；
観念して自分自身のために言ってみなよ。


[リフレイン]
言っておくれ、何度も何度も繰り返して、
何度も何度も繰り返して。
君が僕のものだといつまでも言っておくれ。

言っておくれ、いつまでもいつまでも優しく、
いつまでもいつまでも優しく、
ヴァレンタイン老のように。

君が言うときの「アイ・ラヴ・ユー」は、
決まりきった「アイ・ラヴ・ユー」で、
小説や劇の中での恋人たちの囁きみたいに、
変えてもいいんだよ「アイ・ラヴ・ユー」を
決まりきった「アイ・ラヴ・ユー」を
ああ、何とも神々しい言葉に！

言っておくれ、そっと優しく、それから
何度も何度も繰り返して、
君が僕のものだといつまでも言っておくれ。


※　コルトレーンのアルバム Ballads(Impulse 1962) での演奏でしか聞いたことのない人が大半だろう。歌はトミー･ドーシー楽団のフランク･シナトラやカリン・アリソンがコルトレーンのトリビュートアルバム程度で珍しい歌。当然、スタンダードとは言えずコルトレーンが演奏しなかったら全く忘れられた歌になっていたのかも知れない。

コルトレーンは、同じくドーシー楽団時代のシナトラのヒット曲 I Bought You Violets for Your Furs も彼の初リーダー作で演奏している(Prestige 1957)。
ともにアドリブはほとんど入れていないが微妙にくずしたメロディーと第一音の美しさはバラード演奏の一級品。violets は多少饒舌、say it の方は控え目。演奏というより歌詞を頭に入れた上で音をつけており、彼なりの表現で歌っているようにも聞こえる。

アイドル時代のシナトラの歌声は甘く優しく 、当時の十代の少女たちを虜にしたのも頷ける。

作詞： フランク・レッサー Frank Loesser
作曲： ジミー・マクヒュー Jimmy McHugh
出典： 映画 Buck Benny Rides Again (1940) より

CD, LP
● フランク・シナトラ Frank Sinatra : The Essential Sinatra with Dorsey (Bluebird, RCA)
● カリン・アリソン Karrin Allyson : コルトレーンに捧ぐ (Concord)
● レベッカ・キルゴア Revecca Kilgore & Dave Frishberg : The Song of Frank Loesser (Arbors)
● ジョン・コルトレーン John Coltrane : Ballads (Impuls)


2008/03/22 訳
2012/06/15 レイアウト変更等

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