FUN TO BE FOOLED

[ヴァース]
春はここに来ている、
また恋に落ちたら僕は馬鹿だね、
それなのに僕はとりこになりかけているのさ、
春がまた呼んでいるのさ。
君は僕を愛しているといってくれたよね＿＿
僕は過去の経験から
君が本気で僕を愛しているって知っているけど、
でも愛や春はいつまでも続くものじゃないよね。
一生懸命になって
新たな恋を始めるのは愚か者。
でも今夜は、
今夜は、愛しい君よ、どうなろうとかまうものか。

[リフレイン]
からかわれているのが楽しいのさ、
その気になってのが楽しいのさ、
信じているのが楽しいのさ、
　恋は永遠に続いていると信じることが。
僕はやられたと思ったけど、
それでも楽しんでいるのさ、
またからかわれていることに。

結構じゃないか、
　君の気持ちをさらけだしてくれる時は、
結構さ、
　君にこれは本当よと言われるのは。
キスされて楽しいのさ
生きていて楽しいのさ、またからかわれていても。

あの昔からの魔性の月が、　（★）
また今度も光りを放ち、
春をもう一度と僕に売り込んで、
また今度も愛が僕の支配者になりそう。

からかわれているのが楽しいのさ、
その気になってのが楽しいのさ、
　この小さな夢が
　消えることはないって。



★：原文は It's that old devil moon　
作詞の E・Y・ハーバーグは 12年後に Old Devil Moon という歌を書いているが、そちらは恋の狂喜を歌ったもの。どちらかというと、この歌の old devil moon の心情はビリー･ホリディの歌唱で有名な That Old Devil Called Love (1944)に似ている気がする。

皮肉で塗り固められた歌にもかかわらず、リー･ワイリーの録音によりこの歌は舞台から独立したヒット曲となった。彼女がアップテンポの I've Got a Crush on You をスローバラードに仕立てて新たな解釈を与え以降の歌手に影響させたのと同様 Fun To Be Fooled でも、自嘲気味の観点を捨て、「またも報われない恋に落ちてしまった」という感傷に徹して、新たな息吹をこの歌に与えたからである。 (Ira Gerwhwin:Philip Furia 著より抄訳）

作詞： アイラ･ガーシュイン、Ｅ・Ｙ・ハーバーグ Ira Gershwin, E.Y. Harburg
作曲： ハロルド･アーレン Harold Arlen
出典： 舞台レヴュー Life Begins at 8:40 (1934)

CD, LP
● バーバラ・リー Barbara Lea : Remembering Remembering Lee Wiley (Audiophile)
● ヒュー・シャノン Hugh Shannon : Saloon Singer (Audiophile)
● ジャッキー・パリス Jackie Paris : ソング・フォー・ザ・リリックス・オヴ・アイラ・ガーシュイン (TIME)
● ジョー・デライズ Joe Derise : Blues Are Out of Town (Audiophile)
● ジョニー・ホリディ Johnny Holiday : ホリディ・フォー・ラヴァーズ (Mode)
● リー・ワイリー Lee Wiley : ロジャーズ＆ハート/ハロルド・アーレン (Monmouth Evergreen, Liberty)
● リナ・ホーン Lena Horne : It's Love (RCA)
● マーリーン・ヴァープランク Marlene VerPlanck : My Impetuous Heart (DRG)


2007/02/25 訳
2012/05/20 レイアウト変更等


Home　（トップページにジャンプ）

Menu　（上位メニューページにジャンプ）